自費出版への道 13 自分の目で見て、調べて、伝え続けた日々

奮闘記

1.何も分からないが故に出来たこと

  保険業界のことなど何も知らなかった私は、それを逆手にとりました。
 いまの自分とお客様は保険のことを何も知らない点で同じだと考えたのです。

 もちろん、私自身は38ヶ月もの間研修を受け続けていましたから、厳密にいて場同じではないのですが、保険のことなどよく分からないというお客様の氣持ちはよく分かりました。そこで、私はお客様と一緒に勉強しようと、自分たちが住む町の現状を調べたのです。

 まず市内の警察署を全部回って、交通事故のデータを頂きました。公開されているデータなので特段問題はありません。また消防署にも行きました。市内の火災データを頂くためです。これも快く頂くことが出来ました。と、同時に政府統計によって全国のデータを取得して、全国の年次推移傾向と自分の町の傾向を比較したのです。

2.データから情報へ

 交通事故については、市内の事故多発地点がよく分かりました。
 意外なことに直線道路での事故が多かったです。でも事故の多くは薄暮から夜間にかけて、横断歩道のない道路を横切って、という事故が多かったように記憶しています。
 また建物の全焼火災は3日に1件程度の割合出発生しており、これは全国の傾向とほぼ同じでした。林野火災や車両火災、船舶火災も自分が思っていたよりも発生していることを知りました。

 そして、これらのデータを図表化して、お客様に配る「チラシ」にしたのです。保険に関するデータや数字は一切入っていません。あくまで観光庁が発表しているデータを纏めた者です。チラシと言うよりも「新聞」に近いものでした。
 これを市内の2カ所の住宅団地に投げ込みをしたのです。

3.信用と信頼

 1つのニュースペーパーを3回、ペーパーは3種類作ったのでのべ9回の投げ込みをして、最後の1回は元旦の日でした。
 元旦の日は、分厚い新聞が配られますよね。その新聞の上に目立つように配っていったのです。新聞配達の方とおっかけっこです。

 明るくなってくると、新聞を取りに来る家人と行き会う事もありました。
 そんなときは直接手渡しです。

「こちら、どうぞ」
「ああ、いっつも入れてるのはあんたか」

 見てくれている人がいる。それが証明された瞬間でした。
 そして、最初のペーパーを配り始めて10回目に、家のインターフォンを押し始めたのです。

 結果は、1人のお客様から契約を頂くことが出来ました。
 その方は、私がインターフォンを鳴らすと玄関ドアを開けてくれて、「いつもお世話になってます!」と、おっしゃってくれたのです。
 いや、まだお世話にもなってないけど、という心の声を必死に押さえて、お話しをさせていただいたことを思い出します。

 このお客様は、いまでも契約を継続いただいている私にとって最も大切なお客様です。私の作ったペーパーにもよく目を通されていて、「こういうのをよく作るなぁ」と思っていたことを後になって知らされました。
 ちなみに、私が保険の仕事をするようになって最初の自動車事故対応をすることになったのもこのお客様でした。
 そのときのこともよく覚えています。

 携帯電話が鳴って、表示されているお客様の名前を見たときに直感しました。

「事故だ」

 平静を装って電話に出たものの、初めての事故対応です。足が震えていました。事故現場に向かうと、お客様の車は大破。当時、まだまだ事故対応はシロウトだった私の目にも「全損」という言葉が浮かぶほどでした。

 唯一、幸いだったのが、お客様に怪我らしい怪我がなかったこと。
 そしてこのときの経験が、交通事故=怪我と言ってくる人に対しての「それホント?」という疑心暗鬼ぎしんあんきに繋がっていくのです。

 実際には、インターフォンを鳴らしても玄関ドアを開けてもらえた回数はそれほど多くはありませんでした。が、冷たくあしらわれたことも少なかったように思います。あくまで私個人の考えですが、9回の投げ込み、ポスティングで、普通の飛び込み営業とは一線を画していたのではないかと思うのです。
 何度も同じ事を繰り返すことは、愚直ですが、大事なことなんだと思います。もちろん、投げ込みそのものが目的になってしまってはいけないのですが、そこに明確な目的を持たせることで、その努力は無駄にはならないのです。

 そして私の場合には、お配りした情報が自分たちの住む地域の「生」の情報だったと言うことも大きかったのではないかと分析しています。自分たちの日常生活の範囲の中で、どこで交通事故が起きているのかを知ることは、決して無駄にはなりません。火災の情報にしても然り。不審火や放火に氣を付けなくてはいけない理由も分かります。

4.過去の経験

 そういえば、住宅メーカーにいたときにも、同じようなことをしていたことをこのブログを書きながら思い出しました。

 それは住宅内の事故についてです。
 住み慣れた自分の家の中で事故によって命を落としてしまうことが意外に多いことを知った私は、やっぱりそれをペーパーに落としこんでお客様にお知らせしていたことがあります。

 当時、住宅内ので死亡事故の筆頭は「同一平面での転倒事故」でした。
 原因の多くは「段差」。
 洋室から和室へのわずか数センチの段差に躓いて転倒してしまう。
 床に敷いたカーペットとの段差に足の指を引っかけて転倒してしまう。
 あるいは、コタツのコードや掃除機のコードに足の指を引っかけて転倒してします。そんなありふれた日常の中にこそ、危険が潜んでいたのです。

 それ以外の事故原因としては、お風呂場での溺死、階段からの落下等がありました。

 私は、JP(Japan Professional Scuba Diving Instructors Assoiciation)のオープンウォーターのダイビングライセンスを持っているので分かるのですが、水深30㎝から50㎝、つまり鼻と口が完全に水に浸かってしまうと溺死してしまいます。なので、お風呂に浸かりながら眠ってしまうと、このリスクが高まってしまいます。寒い季節になると急に増えますので、注意しましょう。

【外部サイト】
【要注意】家庭内事故は交通事故より多い?最も危険なのは「自宅」だった!実態と対策を徹底解説

 自分のお客様が少しずつですが、増えて来た頃、私は考えました。
 「自分のお客様は徹底的に依怙贔屓えこひいきしよう」

 その手段が、またしてもニュースペーパーだったのです。
 とにかく「書くこと」から離れられない。むしろ、自分からその世界に突っ込んで行ってしまう。これら全ての経験が「オブシディアンの指環」に繋がっていくのです。

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